【犬の病気】口・歯の病気

口・歯の病気(口内炎・口蓋裂・歯周病)

口内炎
【症状】
口の中の粘膜で炎症が起こる事を総称して口内炎といいます。症状としては、痛みが伴う為、食事量の減少、口元を手でこする、口をくちゃくちゃする、強い口臭、口内の赤み・腫れなどがあります。
【原因】
固いものや、尖ったもので口内を傷付けるという要因と全身性の他の病気の影響によるものがあります。前者の場合は健康な犬であれば自然治癒が可能です。後者については、ビタミン欠乏や糖尿病、レプトスピラやジステンバーといった感染症によるものがあります。また、栄養不足・免疫力の低下・歯周病(※下記歯周病参照)によるものなどが原因となるものもあります。
【治療】
原因に対して適切な治療となります。基本的には抗生剤の投与になります。直接口内の患部に抗生物質の軟膏を塗布する事もあります。また、ビタミン欠乏が考えられる場合は、ビタミン剤を与えます。口内が痛いので、食餌は柔らかいものを食べさせてあげましょう。
【予防】
口の中のケアとしては歯磨きをする事とビタミン欠乏症など避けられる疾患を予防する意味でバランスの良い食事を心掛ける事が大事でしょう。
口蓋裂
【症状】
口内の上部分に亀裂があり、口腔と鼻腔が通じた状態になっている症状を口蓋裂といいます。先天性の場合、仔犬はお乳を飲んでも鼻から出てしまったり、肺に入り誤嚥を起こし、咳き込んだりして気管支炎や肺炎になる事もあります。
【原因】
先天性と後天性があり、後天性は口内の火傷などの事故で損傷したり歯周病の悪化によるものがあります。先天性の場合数百頭に1匹の割合という低い確率ですが、
【治療】
早急の治療が必要になります。早期に外科的処置を施します。
【予防】
先天性の場合は、生まれてすぐに口内のチェックを行いましょう。後天性の場合はとにかく電気コードを犬の届く所に設置しない、交通事故のないようリードは短く持つなど、細心の注意をはらいましょう。
歯周病
【症状】
歯周病とは歯肉炎(歯茎に炎症がおこる状態)と歯周炎(歯周炎が歯の周りの歯周組織に広がり炎症をおこす状態)の総称になります。症状としては歯茎の赤み、腫れ・食欲不振・歯茎の出血・口臭・歯がぐらぐらする・歯の周りに茶色く固い歯垢歯石がついている、などがあります。
【原因】
歯磨きのケアを怠る事が主な原因になります。また、柔らかいウエットタイプのフードのみを与えていたりすると歯垢歯石の原因にもなります。歯石になると歯磨きをしても落とす事は困難になります。
【治療】
動物病院で歯石除去の処置をします。その際、全身麻酔をかけるので、高齢犬などは獣医さんとよく相談しましょう。
【予防】
日常的に歯磨きなどのケアをしましょう。

 

※CAUTION※
高齢犬などには多く見られる歯周病ですが、悪化すると抜歯になります。中には歯がなくなる犬もいます。歯がないと人間と違い入歯にする事は出来ませんので、食欲も落ち、抵抗力の低下にもつながりかねません。健康維持に一層の注意が必要になります。仔犬の頃から歯磨きの習慣を身に付けるようにしましょう。